
地震の時の様子は。。。
タイ時間3月28日(金)13時20分頃、私はバンコク中心地のオフィス15階で会議中であった。あと10分くらいで会議も終わるので、お昼はどこに行こうかなとそんなことを考えていた。金曜だし、もう休日モードだなあと思っていたその時、
「あれ、なんか揺れてるな。。。」最初は、自分がめまいしたのかなと思い、でも違和感があったので同僚に地震かな?と聞いたら、そうかも。。。と言っている間に、グラッ、グラッと横に揺れだした。あれ、どうも変だ。小さい地震じゃない、そう確信した。窓のブラインドは大きく揺れている。
揺れはおさまるかと思いきや、大きく揺れだした!まずい!立とうとしても揺れてうまく立てない。揺れは大きくなり、みんな叫びだした。まずは机の中に避難。しかし、イスやら、引き出しが飛び出してしまい、安全とはいえない。2,3分経った後、揺れはおさまった。窓から外を見ると、大勢の人が外に出ているのがわかった。サイレンも鳴り出した。そこで、われわれも階段で外に出ることにした。。。
震源地は。なぜ大きく揺れた?
今回の震源地は、ミャンマーのザガイン市で震源の深さは10キロメートル。マグニチュードは7.7。震源地から1000キロも離れているタイの首都バンコクでも大きな揺れを感じた。とはいえ、これは、私が高層階にいたため揺れを大きく感じたことが後でわかった。詳しくは、こちらを参照いただければと思うが、今回の長周期の地震は、遠く離れた場所まで伝わりやすく、高層階のビルは、大きな揺れ幅で長く揺れ続くということのようだ。
さらに、バンコクは、土地が固くないということ、また、耐震構造の建物もほとんどないため、揺れを強く感じたといえるだろう。筆者は、タイに通算7年住んでいるが、これまでに経験した自身は、日本でいう震度2レベルであり、今回のような震度4くらいの体感は初めてであった。また、日本で経験していた縦揺れではなく、横揺れであり、動揺した。さらには、タイは免震構造の建物ではないので、崩れるかもという考えが脳裏をよぎった。
地震の後は、、、
オフィスビルの外に出た後は、2時間くらいは外にいただろうか。かばんをオフィスに置きっぱなしにしていたのだが、ビルに入ることはできず、待っていたのである。結局、2時間くらいした後に入ることが許され、荷物を取りに行った。ビルの中は、あちこち亀裂が入り、それなりにダメージがあった。
その後は解散となり、帰りたいのだが、電車はストップしているため、タクシーかバスしかない。しかしタクシーは高く、バスは来ない。大渋滞である。そのため、みんな歩いて帰るか、電車が再開するまで待つという選択しかなかった。結局電車は、夜の11時30分頃になって再開した。

地震が起きた日は、気温が35度くらいと暑く、のども乾いたが、コンビニもすべて閉まってしまった。夜になって開いたが、こういう時に役に立たない。役に立ったのは、個人商店や屋台である。列を作っていたが、気長に待ち、ジュースを作ってくれた。値段もいつもどおり。本当に助かった。
タイ人の反応は?
タイ人にとって地震は全くの未経験であることが多い。バンコクに住むタイ人にとって今回の地震は相当レアな体験であったという。地震が起きた後、外に出る際もダッシュで階段を駆け下りる人も多く、二次災害が起きてもおかしくない状況であった。
外に出た後も落ち着かない様子で、家族や友人と連絡を取り合っていた。通信状況も一部悪かったらしい。繰り返しだが、震度は3程度だけれども、何せ初めてに近い体験なので、本当に驚きだったようだ。
家のダメージは?
震度は3くらいだったから、家はたいしてダメージないだろう。そう思って帰宅した。ちなみに徒歩で。
ところがどっこい、家のあちこちで亀裂が入っていた。フロアには亀裂から出た白い粉が落ちており、かなり揺れたことを物語っていた。「相当、揺れたんだな・・・」私の家は9階だが、ビルは25階の建物のため揺れたようである。その後、歩いて帰ってきたためシャワーを浴びてから掃除をした。。。
その後わかったのは、他の家でもかなりのダメージがあったようである。日本人も多く住むトンローにある大型コンドミニアムでは、タワーとタワーをつなぐ橋が損壊したとのこと。タイでは、免震構造がないどころか、奇想天外なデザインをしてしまうため、このような事態が起きた。ちなみに、このコンドミニアムはPark Originというブランドのもので、デベロッパーは、Origin(オリジン)。どうやら、このOriginが関わったコンドミニアムは作りがもろく、あちこちで大きなダメージがあるという。高級ブランドで知られていたが、思わぬところで化けの皮が剝がれた。


一夜明け、現在は??
一夜明けるとダメージの全体像がわかってくる。今回は主に、高層階のビル、コンドミニアムで被害が大きい。最新のビルであっても、上記のOriginのようにしっかりした作りでないと、壊れてしまっているところも多い。場所によっては、パイプが損壊して水浸し、住居に入れないところもある。
バンコクの場所によっても被害は異なっている。チャトゥチャックマーケットで知られる場所は、被害が大きく、マグニチュードは5あったとのこと。さらに、ラプラーオ地区でも被害が大きい。家に入れないので、ホテル住まいの人もいる。私の同僚もそのうちの一人だ。
今回の地震で住宅マーケットでは大きな変化がみられるだろう。今まではまったくといっていいほど地震を気にせず家を作ってきたわけだが、これからはそうはいかなくなる。また、高層のタワーマンションがもろいということもわかってしまった。今回、戸建てや低層階のマンションは明らかに被害が小さい。地震の種類にもよるのだが、タイ人は今回のことを教訓に、タワマンは買い控えするだろう。