投資。これはギャンブルの投機とは全く異なるものである。日本人は、お金の話をするとどうも言葉数が少なくなるものだが、本心は・・・。お金が増えることで幸福度が上がるとはいいきれないが、生活を豊かにすることは間違いない。
ということで、今回は、投資の中でも初心者にとってやりやすい投資信託のお話をする。投資信託とは、「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」である。要は、株や債券といったもののでっかいかたまりを他の投資家と一緒に買ってプロに運用を任せる、というものだ。
投信のメリットは?
分散投資
はっきりいって、個人的には、これに尽きるといってもいいくらいだ。個別銘柄を自分で買って、分散投資をしようと思うと、これは大変だ。例えば、東京電力の株を30万円買い、パナソニック株を50万円で買い、三井不動産株を100万円で買い、、、、と3種類の株を買うだけでもう180万円が必要になる。正直、3銘柄買うだけでは分散できているとはいえない。
では、投信ではどうだろうか。例えば、ニッセイ 日経平均インデックスファンド。これは、日経平均株価(日経225)に連動した商品であり、これに投資することで225銘柄に投資していることと同じになる。しかも、投信は1万円程度で買えてしまうのである。
投資地域、投資事業領域がかぶらないようにしよう!
例えば、外国株式の投信を買っても中身はほとんどアメリカ株だったりする。なのに、アメリカ株の投信をもう一つ買ってしまえば、アメリカがかぶっている。投信がどの地域に投資しているかも見るべし。
事業面も見た方がよい。
分散しすぎないこと!
分散しすぎるとどうなるか。例えば世界バランスファンド。国内、外国株式、国内、海外債券とバランスよく組み込まれているパッケージだ。個人的な感覚では500万円投資して、20年後も550万円くらいにしかならない。投資信託は、1つか2つあればよいだろう。
時間の分散をしよう!
一度にどっさり買うのも良いが、タイミングを間違うということもある。基本は、ドルコスト平均法である。要は、毎月決まった金額を投資していく。金額としては、自分の給与に合わせて設定すればよいが、年間いくら投資してリターンをどれくらい見込んでいるのか、●年間でいくらのリターンができるか、を考えながら毎月の投資金額を決めること。単純に、2万円は出せるから2万円、などと安易に決めないように。
専門家に運用を任せられるので、ほったらかしできる
私のようなズボラな人間にこそ、投信はおすすめだ。投信の商品は、いわばプロが運用しており、たいがいは、有名な指数(例えば日経平均)に連動するようにしているので、大きい事故はない。日本が沈没するようなことがあればそれは別な話。
専門家といえども、運用がヘタクソなやつもいれば、うまいやつもいる。そこで、どれくらいのリターンを出しているか。純資産がどれくらいあるかもチェックする必要がある。純資産を見ることで、このファンドはどれくらい増やしたのか、投資家から信頼されているのかを把握することができる。運用報告書などをチェックしよう。
買うタイミングを悩む人がいるかもしれない。投資の基本は、安く買って高く売り抜ける。これが鉄則だ。ただ、安い時期を見計らっているといつまでたっても買えない。そういう人は、ドルコスト平均法をおすすめする。難しい言い方をしているだけで、実際は、毎月決まった金額を投資するものだ。結局のところ、個人的には、これが一番リスクを散らすことができる方法ではないかと考えている。
投信のデメリットは?
元本保証はない
半ば当然のことであるけれども、投信といえども、中身は株や債券なので保証はない。というか保証されていればリスクもない分リターンも少なくなるので、それだったら定期預金をしていればよい。
新興国株に注意
いくら分散投資できるとはいえ、いまにもデフォルトを起こしそうな国を含む国の銘柄に投資するのは危険だ。ここ10年くらい見ているが、良くてトントンで、マイナスのリターンになっている商品がほとんどなので、避けるべし。
信託報酬が高い商品に注意
信託報酬とは、投信の運用・管理にかかる費用で運用会社に支払われるもの。例えば、上記のニッセイのファンドであれば、運用会社のニッセイに支払われる。今は、0.5~2.0%が平均と言われている。日経平均と連動するようなインデックス商品は、さらに安かったりする。逆に日経平均よりも高い収益を目指そうとする商品は信託報酬も高い傾向にある。
以前、私はさわかみファンドをもっていたが、アクティブ系で信託報酬がそれなりに高く(現在は1.1%)、リターンが期待よりも低かったことを覚えている。正直、あまりおすすめしない。
信託報酬は、毎年かかるものなので、できるだけ安いものを選ぶ必要がある。なかには、大したリターンがないにもかかわらず、信託報酬率が1%を超えるものがあったりとするので、注意が必要だ。最近は、かなり低い傾向があるので、少しでも高い商品は注意が必要だ。
好きなタイミングで購入・売却できない
投信は、この日の何時に買いたい、売りたいと思ってもできない。なので、いいタイミングでやることができない点デメリットではある。ただ。投信は10年単位で持つものなのでそこまで気にしなくてもいいかと思う。問題は、売る時だ。たまたまガクッと下がった時に約定してしまうと損する。
自分の好きなタイミングで買いたいという場合は、ETF(上場投資信託)をおすすめする。これは、株式のように好きなタイミングで購入・売却ができる。ただ、手数料は投信よりも高い。
投信 どうやって選ぶ?
- 毎年どれくらいのリターンを狙うか
- モーニングスターなどで商品を検索
- ネット証券の口座を開設、購入
投信をどうやって選ぶかについては、それだけでかなり長くなってしまうので、ここでは、簡単に説明したいと思う。
年率のリターンを決める
まずは、どれくらいのリターンを狙うかでどの商品をどれくらい買うかが決まる。例えば、年5%の利回りでよければ、株式よりも債券を多めにするとかが考えられる。
商品検索
商品を検索するのは簡単だ。モーニングスターを使うことをおすすめする。第三者的な視点で網羅的に見れるのですごく便利だ。検索する上でのポイントは次のとおり:
- 信託報酬が安いものを選ぶこと
- インデックスファンド商品を選ぶこと
- 3年、5年間でのリターンがどれくらいか見ること。
- 多くの銘柄に投資していること
証券会社で口座開設
購入する商品が決まれば、あとはその商品を購入できる証券会社の口座を開設する。ネット証券がなんだかんだ便利だし、手数料も安いのでおすすめ。おすすめの証券会社は、次のとおり: