2021年の在宅勤務はどうなるか
テレワーク。これでは、海外では通じない。海外では、WFH(Work From Home)という。WTH(What the F**k)ではない。
今回は、そんな話ではなく、在宅疲れしているサラリーウーマン、サラリーマンの人がどうすればより働きやすくなるのか、また逆にとんでもないことになってしまうのか、見ていく。
メリハリはやっぱり大事
メリハリはいらない、という人もいる。私としては、やはりメリハリは大事だ。ひとつストーリーを挙げると、かよ子さん(仮名)は、在宅勤務を始めて6か月が経ち、3回病院に通ったが、結果的に会社を辞めることになった。
かよ子さんは、在宅勤務が2か月ほど経った頃に頭痛で病院に行った。その時は、睡眠不足とストレスが原因と言われた。しばらくたち、2回目は度重なる腹痛に襲われ、病院に行くことになった。この時の原因もストレスと、ストレスによりご飯を食べていないこととそれを抑えるために飲んだ薬が原因であった。
そして、在宅から6か月経った頃には、胸の痛みを覚えていた。もう限界だった。常に、仕事の不安と焦りの気持ちがあり、解放されない。そういったところから精神的にかよ子さんの身体はむしばまれていった。そのうち、パニックアタックも起きるようになっていた。
仕事とプライベートの境界線
仕事とプライベートの境界線は、人によってマチマチである。ない方がよいという人もいるかもしれないが、実際、いつのときも上司から電話やメールが来て監視されているようであったらどうだろうか。
私も実際に経験がある。上司からすれば、在宅勤務は部下が何をやっているかわからない。真剣に仕事しないで遊んでいるかもしれない。そう疑っている人も多い(実際遊んでいる人もいる)。そこで、上司はこまめに電話をかけて今部下が何をしているのか探るのである。本当に遊んでいる部下であれば意味はあるかもしれないが、真面目に仕事している人にとっては邪魔でしょうがない。集中も途切れるし、毎日何度も電話が来れば嫌気もさす。
部下からすると、疑われないように真面目にやろうとする(そうでない人ももちろんいる)。本当に生真面目な人は、残業をしてでも働き、多少無駄だとは思っても上司にきちんと答えていく。上司もだんだんとエスカレートし、夜遅くになっても電話やSNSなどで連絡してくる。
このようにだんだんと仕事とプライベートの境目がわからなくなってくるのである。これは、意識しないとどんどんとわからなくなる。たとえ、上司が電話してくるような人でなくても、自分で追い込んでいってしまい、自滅することもあるのである。
ただでさえ、日本は窮屈であると言われる。何が原因で自分は窮屈だと感じているのか、今一度探っていくことも大切だ。これについては、別稿を参照いただきたい。日本での生活が窮屈に感じる理由
休暇をとっても、追いかけてくる上司
疲れれば休みを取ればよい。そのとおりである。しかし、上司によっては、休みの時ですら追いかけてくるのである。休みをとったとしても、この時期は家にいることが多い。そうすると、上司は何もしていないと考えて連絡してくる。こうなると、せっかく休暇をとったのに、また仕事のことが頭に残ってしまう。上で示したかよ子さんも夜は仕事の夢を多く見るようになり、パニック症候群になったという。
在宅勤務で孤立することにも
在宅勤務は、時に孤立することにもなる。今まで、気軽にアドバイスを求めていたのに、在宅になって電話やメールをして相談するのにハードルが高くなり相談できなくなる。特に若い人にとってはきついだろう。ちょっとした意見を聞きたいのに聞けない。失礼だと思われるのではないか。。。上司からの声かけを待っている若者もいるだろう。
在宅が長いと、メールやチャットの一言一言に敏感になる。口に出すことは消えてしまうので記憶にも残りにくく、またその時の話し方のトーンによって理解することもできるので、誤解が生じにくい場面がある。ただ、メール等ではきっちりと残るので、言い回しがおかしかったら失礼ではないか、気分を害してしまったのではないか、とすごく考えるようになる。
これについての自分の解決方法は、気にしない、ということである。もっといえば、他の重要なことに時間や頭を使うことでこのようなことは考えないようにすることである。
また、部下からも上司と適度なコミュニケーションをとっておくことで不安は解消される。定期的な報告、相談を電話やTV電話で行うことで安心感を得ておくことも必要だ。
そもそも家は、仕事に適していない
「これを言っちゃあ、おしめえよ」という感じですね。でも、そうなんです。家は、仕事をするところとして設計されていないのである。むしろくつろぐ空間であるため、仕事用に机やいすがあったりしない。机やいすも長時間座っているようなものでもない。高さも硬さも仕事用ではないのである。
また、一人暮らしの場合は良いとして、家には家族がいる。また家族の中でも自分以外に仕事をする人がいると、どうしても気が散ってしまう。会社でも近くに人はいたが、家族ではないのでそんなに気にならなかったのが気になってしまう。また、会議をやるときにうるさく感じてしまう。同時に会議をやることは難しくなるだろう。
さらに、今まで会社にいたご主人が家にいることで奥様の機嫌が悪くなることもあるだろう。適度な自分時間の確保は、お互いにとって大事だったのである。
在宅はストレスを抱えやすい
これまで見てきたように、在宅勤務は非常にストレスを抱えやすい要素がある。一見、会社でやっていたことが技術の発達のおかげで自宅でも同じようなことができると思われているが、その裏では相当なストレスが働いている。
今ではメジャーとなったオンライン会議ツールのZoom。これも今までは顔と雰囲気を見ながら話せたのに、今では、多くの顔が表示され、自分が注目されている。ふだん面前で話しているときとはまったく雰囲気が異なる。
在宅勤務は、空き時間が少なくなる。オフィスにいたときは、ランチで外に出たり、会議に参加するために会議室に移動することがあった。この時間がいわば休息になっていたのである。それが在宅勤務になってからは、ランチにしても会議にしても同じパソコンから入るのでまったく移動の時間がない。常に予定はつまり、自分の気分も詰まっていく。。。