今日は、男の話をする。包茎手術だ。こんなニュースが出ていたのでご紹介:
東京上野クリニックの医師と男性が和解 包茎手術で約240万円請求
クリニックによる高額請求と不十分な説明
えっ、240万円!?そんなにかかるの?と思った人は多いだろう。私の場合は・・・ということはさておき、手術の「相場」というものを知らなかった。だいたい20-30万円くらいかなと思っていたが、ここまでかかるとは・・・。
本件では、男性が東京上野クリニックを相手取り、訴訟にうって出た。結果として和解し、240万円はある程度減額されたものと思われる。男性は、いろいろな説明がなかったとして訴えたようである。単なる包茎手術だけではなく、ヒアルロン酸注入やフォアダイス(簡単にいえばあそこにできるプチプチ)除去もオプションとしてあったとのことで、男性は十分な説明を受けることなく、あれよあれよという間に手術に至ったのであろう。
医者は患者に対して十分な説明を行うべき
本件で私が悪質だと思ったのは、保険の適用を受けられることも説明していなかったことである。包茎は、病気のひとつとされ、保険の適用を受けられる。ちなみに、仮性包茎は適用なし。
医者と患者という関係においては、患者が情報面で常に弱者の立場にある。医者はこれを利用して、一方的に保険適用外の手術を受けさせたり、薬を大量に出したりするべきではない。つまり、医者は、立場上、利益を上げることばかりに気を取られていないで、病気を治すことに専念すべきということである。
東京上野クリニックについてみると、どうだろう。CMをよく目にする。CMを打つには、数千万円はかかる。つまり、もうかっているのである。もうかっていることについて批判するつもりはない。それを新しい設備など患者のために常に改善されていることがわかればよいだろう。しかし、だ。患者が弱いことを理由に十分な説明を怠って高額なオプションばかり勧めているとしたら、それは重大な問題だ。医者は十分な説明を行い、患者が悩むことなく自立的に選択できるようにすべきだろう。
私見をいわせてもらえば、CMを打ちまくっている企業はあやしい。車メーカー、ビールなどの大手企業は別として、基本あやしいと思い、判断をした方がよい。CMを見るとどうも知名度があり、信頼できるように思ってしまうが、そこが彼らの狙いどころ。知名度がない企業ほどCMを打ちまくり、知名度があるかのように見せるのである。
医者にだまされずに済む方法
だんだんと医者を悪者扱いしているけれど、医者も人であるので悪いやつはいる。人間、包茎手術に限らず医者のお世話になることはある。万が一、あやしい医者につかまっても自分を防御するにはどうすればよいか。
防御するには、自分も知識をつけるということである。本件で言えば、包茎が保険の適用を受けられるかは、ネットで調べればすぐにわかることである。また、オプション手術についてもそれが本当に必要かどうかはある程度情報を仕入れたうえで判断できるかもしれない。このように、医者にいろいろと言われてよくわからなくなった場合は、冷静になって自分で調べてみることである。そして、調べた結果変だなと思ったら、それを医者に伝える。その医者が納得できる回答をしなかったら、これは怪しい。医者も商売なので不都合な事実は伝えないかもしれない。医者を変えることも選択肢に入れるべきだ。
もう一つの防御方法として、第三者の意見を聞くことである。これは、友人でもネットでも、他の医者(いわゆるセカンドオピニオン)でもよい。仮に最初の医者と同じことを言われたとしても、間違っていないことを確認できる。何より、自分が冷静になり、納得できる。
最後に、重要なことは、医者との会話や診断結果などを記録に残すことである。録音できればなお良いだろう。それができない場合は、医者と会話をしながらメモするとよい。医者もまずいことは言えないと思って、変なこと(例えば高額なオプション)は言えなくなるだろう。